こんにちは。
四流外資系社員の
安田トーシローです。
このサイトでは、英語苦手歴20年の筆者が
上級者では気づけない英語のポイントを
ド素人目線でわかりやすく紹介します。
英語の比較の学習では
[no + 比較級]という構文が
必ずでてきます。
A no more than B
A no less than B
A no better than B
A no worse than B
これに加えてさらに!
no more A than B
no less A than B
などなど、いろいろありますが…
その都度、意味を覚えるのか!?
みたいな経験あると思います。
実際に、
私は高校のときに暗記しました。
半年後に忘れました…
30代のときも再び勉強しました。
半年後に忘れました…。
40代のときも再再挑戦しました。
半年後に忘れました…。
もういい加減にして~~~
私のようにならないために、
[no + 比較級]の基本を紹介します。
おそらく、
これで3年以上(推定)?
忘れません。。。
目次
英語の比較級で[A no 比較級 than B]を使う
これまで紹介してきた
[more]などの比較級の前に
[no]が付くパターンがあります。
これを日本語訳にするのが少々難解です。
訳より前に基本を
理解する必要があります。
比較級を勉強すると
必ずでてくるのが下の構文。
- no more than
- no less than
- no better than
- no worse than
[no + 比較級]の中でも
この4つは訳し方が特殊なので
要注意です。
- (むしろ逆のニュアンスで)同然・同様
ただし、一般的には
下記のように訳されています。
- no more than たった~ ※onlyと同じ
- no less than ~も
- no better than 同然
- no worse than 同然
なぜ[同様]の意味が出てくるのか
非常に疑問だと思います。
まず[no]についての基本を
理解する必要があります。
これでもう忘れません!
[no]の基本の意味は[ゼロ]です。
完全に何もないのがnoです。
than (~よりも)
more (より多いことは)
no (ない)
少しでも超えることはなく
少ないとも言っていません。
彼は悪くない。
He is no bad.
彼は悪くない。
この2つの文は
日本語訳にすると同じですが、
否定する箇所が異なります。
notは、not以降の文を否定するのに対して
noは、noの後ろの単語だけを否定します。
noは部分否定で
意味的にはむしろ逆になります。
[no]が後ろの[bat]を完全否定して
[彼は全く完全にパーフェクトで悪くないよ]
という感じがあり、
むしろ逆の[いい人]的なニュアンスです。
このため、
[no more]はmore(より多い)を
全否定なので[むしろ少なめ]な
ニュアンスになります。
あくまでもニュアンスで、
少ないとは言っていないため
[同然、同様]になります。
[no less]はless(より少ない)を
全否定なので[むしろ多め]な
ニュアンスになります。
[no better]はbetter(より良い)を
全否定なので[否定的]な
ニュアンスになります。
[no worse]はworse(より悪い)を
全否定なので[肯定的]な
ニュアンスになります。
参考書では[no more than]は
[only]と記載されていることが多いです。
このため「たった」とか「ほんの」
と訳されます。
ただし[no 比較級]の
潜在的な意味は
[(むしろ逆のニュアンスで)同然、同様]です。
[no more than]は
(否定的な意味で)同然
という意味があります。
than (~よりも)
more (より多いことは)
no (全く完全にない)
この[(否定または肯定の意味で)同然、同様]
を忘れると次に紹介する
[no more A than B (※B同様にAではない)]
の学習でつまづくことが多いです。
no more thanが[only]なのに
no more A than Bが[同様]???
となります。。。
- (むしろ逆のニュアンスで)同然・同様
当然ですが、
[than]を伴う[no]比較級なので
[より〇〇ではない]となるのが根本です。
[A no more than B]のパターン
まずは、よくみかける
[no more than]です。
- (否定的な意味で)たった、ほんの
以下のような例文があります。
私は1,000円しか持っていない。
参考書では、
[no more than]=[only]
と記載されていることが多く
[たった、ほんの]という訳になっています。
訳としてはonlyのように[1,000円しか]
となっていますが、潜在的な意味では
[否定的な意味で1,000円程度の量(more)しか持っていない]
ということから[1,000円しかない]となります。
no moreなので
[全く完全に少しも多くない]
ということで以上でも以下もでもなく
1,000円です。
[A no less than B]のパターン
これまでの優等比較に対して
lessは劣等比較と呼ばれるそうです。
名前はどうでもよいですが、
これも基本は同じです。
- (肯定的な意味で)~も
以下のような例文があります。
私は1,000円も持っている。
肯定的な意味で
[1000円と同額を持っている]
となることから
[1,000円も]という[~も]の訳が多いです。
上記でも紹介してきたように、
[no 比較級]は、
潜在的な意味では
[(むしろ逆のニュアンスで)同然、同様]
という意味があります。
than (~よりも)
less (より少ないことは)
no (全く完全にない)
でも、多いとも言っていないことから
[同然、同様]になります。
また、less(より少ない)をnoで全否定なので
むしろ多いような肯定的な意味になります。
結果的に
[少なくない1,000円という量もあるよ]
という前向きな意味になります。
[A no better than B]のパターン
この[no better than]も
英語の比較級学習で
よく見かける表現です。
普通に直訳してしまうと
[AはBより良くない]
となりそうですが違います。
than (~よりも)
better (より良いことは)
no (ない)
~よりも、より良いことはない = (悪い)も同然
ということで、
否定的な意味での[同然]と訳せます。
- (否定の意味で)~も同然
[no]があるので
全然、全く、完璧に良いということはない
というように完全否定になるので
むしろ悪いくらいという
ニュアンスを含みます。
参考書などでは
[~も同然、~にすぎない]と
記載されていることが多いです。
あなたは盗人も同然です。
[同然]と訳していますが、
否定的な意味での[同然]です。
[盗人と同じように悪い]
というニュアンスになります。
than (~よりも)
better (よりよいことは)
no (全く完全にない)
[全然良くなんかない!]
ということで、むしろ反対の
否定的な意味合いがあります。
[no better than ]と[as good as]の違い
[no better than]は[as good as]という
同等比較と同じような表現になり、
どちらも「~同然」という意味があります。
[no better than]は否定的な表現
[as good as]は否定的ではない表現
下記の文章では意味が否定的です。
あなたは老人も同然です。
下記の文章では否定ではありません。
あなたは老人も同然です。
日本語にすると同じでも
ニュアンスが全然異なります。
[A no worse than B]のパターン
こちらは[no better than]と
逆の使い方になります。
worseは[悪い(bad)]という単語の
比較級になります。
badまたはill(原級)
worse(比較級)
worst(最上級)
than (~よりも)
worse (より悪いことは)
no (ない)
~よりも、より悪いことはない = (良い)も同然
[悪くなんか全然全くないよ]
ということで、
肯定的な意味での[同然]と訳せます。
- (肯定の意味で)~も同然
[no]があるので
全然、全く、完璧に悪いということはない
というようになるので
むしろ良いくらいという
ニュアンスを含みます。
noの基本的なニュアンスは[ゼロ]なので
1mmも悪いことはno(ない)になります。
彼は親切も同然だ。
彼は優しさに勝るとも劣らない。
こんな感じで基本は[同然]ですが、
肯定的なニュアンスがあります。
[A no 比較級 than B]その他のパターン
more、less、better、worse
以外にもno+比較級の
パターンがあります。
- (むしろ逆のニュアンスで)同然・同様
よく使う比較級には
以下のようなケースがありますが
これらは普通の訳し方で大丈夫です。
- no larger than
- no bigger than
- no sooner than
- no later than
さまざまなパターンがありますが
全て単純に訳せます。
- no larger than(~より大きくない)
- no bigger than(~より大きくない)
- no sooner than(~より早くない)
- no later than(~より遅くない)
もちろん、
[no]のニュアンスは一緒です。
後ろの単語(larger、laterなど)の
限定否定なのでnotとは異なります。
(直訳)~より大きくない
(意訳)~程度の大きさしかない
こんな感じで、
[no]は[bigger]を否定しているため
むしろ逆のニュアンスになります。
[完全に全く少しも、
より大きくはない]
(でも小さいとも言っていない)
このことから、
潜在的な意味では
[no 比較級 than]には
[同然・同様]という
意味合いがあり、
noで打ち消すことから
むしろ逆のニュアンスになる
ということです。
このあたりは
[no more than]
[no less than]
[no better than]
[no worse than]
と同じです。
- no larger than(~ほどの大きさ・広さしかない)
- no bigger than(~ほどの大きさしかない)
- no sooner than(~ほど早くない)
- no later than(~ほど遅くない)
- ~ほど比較級でしかない
例えば以下のような文があります。
この沼は、3平方メートル程度の広さしかない。
以上でも以下でもなく
3平方メートルですが、
ニュアンスとして
[そのくらいの広さ大きさしかない]
と伝えたいとき使います。
ちなみに、自動翻訳サイトの中には、
[この沼は3平方メートル以上の広さはありません]
というように[以上]と
訳しているところもありました。
[以上の広さはありません]
なので、[以上]とは言っておらず
これでよいと思います。
英語の比較で[no 比較級 A than B]を使う
上記で[A no 比較級 than B]を
紹介してきました。
今度は少し異なり、
[no 比較級 A than B]
というパターンです。
この比較級の中で
[more]と[less]だけ
訳し方が特殊です。
[no more A than B]のパターン
[no more A than B]の日本語訳は
以下のようになります。
- B同様にAではない
以下のような例文があります。
私の発音は彼と同じくらい滑らかではない
わざわざ難しく訳すと
[彼の発音が滑らかでないのと同様に私の発音も滑らかでない]
になります。
よく参考書に出てくる
[クジラの構文]
というのがあります。
馬が魚でないのと同様にクジラも魚ではない。
クジラは馬と同様に魚ではありません。
鯨が魚でないのは馬が魚でないのと同様です。
などなど訳はいろいろあります。
no moreの場合は、
否定的な意味合いになります。
[no less A than B]のパターン
[no less A than B]の日本語訳は
以下のようになります。
- Bに劣らずAだ
以下のような例文があります。
私の発音は彼に劣らず滑らかだ。
上で紹介した[no more]と同じ題材で
lessの部分だけ代えました。
基本は[同様]という意味合いがあり
noによってlessが否定されて
むしろ逆の意味になるので
[劣ってない][少なくない]
というニュアンスになります。
[no better A than B]は要注意
あまり使わないかもしれませんが
[no better A than B]
は要注意です!
これまでの
no more A than B
no less A than B
とは違い普通に訳したほうがいいですが…
基本の基本は
これまで紹介してきた
[no+比較級]と変わりません。
以下のような例文があります。
(意訳) 彼より優れた選手はいない。
(直訳) 彼と同様の(むしろ良くない)選手を見つけることはできる。
素直に
[him]より
[better player]もっとよい選手は
[no]いない
となります。
than (~よりも)
better player (より良い選手は)
no (全く完全にない)
[We can find no~]
なので肯定文です。
否定文なら
[We can not find]
になります。
直訳すると
[我々はno(ゼロ)を見つけられる]
となります。
こんな日本語訳は変なので
結果的に日本語では
[見つからない]という
否定文になります。
can find見つけることはできる
100歩譲って
同様の選手までなら見つけられても
少しでも彼以上の選手は見つからない
という感じになると思います。
英語の比較級で[A not 比較級 than B]を使う
次は[not]が入る比較級です。
[no]のパターンと比べて
非常に素直に訳せます。
以下のような潜在的な意味
があります。
- ~よりも比較級ではない
これも、よく教科書に出てくる
構文として以下のようなものが
あります。
- not more than
- not less than
- not better than
- not worse than
この4つの一般的な意味も
記載しておきます。
- not more than 多くとも、せいぜい ※at mostと同じ
- not less than ~より少なくない、少なくても ※at leastと同じ
- not better than ~よりもよくない
- not worse than ~よりも悪くない
このようになりますが、
[not more than]を[せいぜい]と
暗記しても半年後には忘れそうです。
このため、基本をしっかり
理解する必要があります。
1,000円以上は持っていません。
1,000円以下は持っていません。
1,000円以上持っています。
老人よりも優れているわけではない。
彼は親切も同然だ。
彼は優しさよりも悪くない。(※変な日本語訳ですが…)
このように[no]と比べたら
割と素直に訳せると思います。
英語の比較級で[not 比較級 A than B]を使う
以下のような潜在的な意味
があります。
この構文でよく使うのが
[more]と[less]です。
- BほどAではない
- Bに劣らずAです
例えば以下のような
使い方をすることがあります。
このカメラはあのカメラより役に立たない。
(このカメラはあのカメラより役に立つ…ということはない)
彼女はその女優に劣らず美しい。
(彼女はその女優より劣った美しさ…ということはない)
notがnot以降を否定します。
通常の否定文なので
普通に訳せると思います。
[not any more A than B]に注意
ここまでnotとnoでは
全然違う意味になることを
紹介してきましたが、
例外はあります。
[not any]は[no]と同じになります。
- B同様にAではない
よく日本の試験では
書き換え問題が出題されます。
これは非常に注意してください。
違う文章である以上は
ニュアンスや使うタイミングが
異なるケースが多いです。
[no]と[not any]では
前者の方が強い否定と
言われています。
anyは否定文で
[どれも、少しも、誰も]
という意味があります。
A whale is no more a fish than a horse is.
馬が魚でないのと同様にクジラも魚ではない。
クジラは馬と同様に魚ではありません。
鯨が魚でないのは馬が魚でないのと同様です。
以上・以下・未満はどうなのか?
[not 比較級]を使っていると
以上・以下・未満が
気になる人がいると思います。
- more than ~より多い
- not less than ~より小さい(少ない)ことはない、~以上
- not more than ~より多いことはない、~以下
- less than より小さい(少ない)、~未満
このようにnotが付くと
[=]を含みます。
余分なお話ですが、
moreという比較級は
many(数が多い)
much(量が多い)
の両方です。
many – more – most
much – more – most
もう一つ!余分なお話
lessはlittleの比較級です。
little – less – least
こちらは[小さい]と[少ない]の
両方を兼ねます。
a little boy(小さな男の子)
a little time(少しの時間)
[not 比較級]と[no 比較級]の根本的な違い
まず、下の文章ですが、
仕事が見つからない。
[B] I can find no job.
仕事が見つからない。
上は否定文で下は肯定文です。
notは前の助動詞・be動詞に
かかって、not以下の文を否定します。
noは後ろ単語(名詞・形容詞など)に
かかります。
notは動詞を否定するため、
文章を否定文にします。
[A]はcan notなので
[仕事が見つからない]です。
[B]はno jobなので
[ゼロ個の仕事が見つかる]です。
このような否定の掛かり方に
特徴があります。
[not 比較級]はnotの前の
助動詞・be動詞をかかって
not以下の文を否定します。
[no]の根本を理解する
[no 比較級]は比較級を否定します。
私はたった1,000円しか持っていません。
日本語に訳すと[たった1,000円]
となりますが・・・
[no 比較級]の基本は
[(むしろ逆のニュアンスで)同然・同様]です。
[than 1,000 yen]1000円よりも
[no more]より全然多くない額を
[have]持っている
noがmoreを強く否定し
[全く!少しも!完全に多くない]
1mmも多くないので結局は
[同等]ということになります。
[全然多くなんかないよ]という感じで
むしろ反対に[少ない]ような
ニュアンスを含みます
1,000円と同額だけど
[no more]によりmoreをnoで
強く否定しているため
ニュアンスとしては
[少ない]感じになります。
このため日本語訳にすると
[たったの1,000円しか]
となります。
[たった]というのは
日本語訳にした場合のことです。
[not]の根本を理解する
一方!
notの場合は文章を否定するので
日本語には素直に訳せます。
1,000円以上は持っていません。
こちらは動詞が否定されているので
否定文です。
[than 1,000 yen]1000円より
[more]多く
[don’t have]持っていない
do notがhaveを否定するため
[持っていない]ことになります。
つまり、1,000円以下
ということになり、
800円かもしれません。
このため、
[not 比較級]の方は、英語初心者が
訳しやすい文章になると思います。
[not]と[no]は日本語に訳すと、
ほぼ同じになったとしても
このような背景があります。
[no 比較級]と[not 比較級]のニュアンス
ここまでのまとめ!
まずは下記のような
基本の文章があるとします。
この湖は100平米です。
[no more]は
[たったの、~しか]という
否定的な感じに使います。
この湖は100平方メートルしかない。
[no less]は
[~も]という肯定的な
感じに使います。
この湖は100平方メートルもある。
[not more]は
[[~より多くない、多くても]という
感じに使います。
この湖は100平方メートル以下です。
(100平方メートルより大きくない)
[not less]は
[~より少なくない、少なくても]という
感じに使います。
この湖は100平方メートル以上です。
(100平方メートルより小さくない)
元の文章の
[This lake is 100 square meters]
[この湖は100平米です]
にニュアンスを追加するために使います。
[100平方メートル]と比較して
どんな感じなのかを伝えています。
まとめ
[no + 比較級]は以下のような
ニュアンスになります。
- (むしろ逆のニュアンスで)同然・同様
- (否定的な意味で)たった、ほんの
- (肯定的な意味で)~も
- (否定の意味で)~も同然
- (肯定の意味で)~も同然
- (むしろ逆のニュアンスで)同然・同様
- B同様にAではない
- Bに劣らずAだ
- ~よりも比較級ではない
- not more than 多くとも、せいぜい ※at mostと同じ
- not less than ~より少なくない、少なくても ※at leastと同じ
- not better than ~よりもよくない
- not worse than ~よりも悪くない
- BほどAではない
- Bに劣らずAです
今回は説明が長かったですね。
書いている本人もビックリ!
比較級は覚えることが多いです。
notに関しての基本的なことは
以下のページでご確認ください。
英語の否定文not | be動詞・一般動詞など文法のおさらい
次回は比較に中でも
[同等比較]というものを
紹介します。